第139章 何かを失いそうな気がする

橘由樹は怒りで頭がじんじんしていた。ぎりっと歯を噛み、橘晴美を睨みつける。

「……やるじゃん」

目の前の相手が、まるで別人に見えた。

「なんで嘘つくんだよ。俺とお前を助けたのは結衣だろ。なんで認めない? やましいのか? 橘結衣のやったことを、みんなに見せたくないんだろ。怖いんだよな。お前、そもそもこの家の人間じゃない。俺の妹じゃない。血が繋がってないんだ。橘結衣こそ、この家のお嬢様だろ!」

「この先、この家で自分の居場所がなくなるのが怖いから嘘ついたんだろ? 違うか?」

橘晴美の瞳がわずかに揺れる。焦ったように声を上げた。

「由樹兄さん、違うの……」

「もういい!」

橘由樹は...

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